粟島神社の針供養に行ってきました

針供養って聞いたことがありますか?

洋裁や和裁などの針仕事をしている方は聞いたことがあるかもしれませんね。

 

針供養(はりくよう)とは、折れたり曲がりったり、錆びたりして使えなくなった縫い針を供養して神社に納める行事のことです。

わたしも針供養という行事があるのは学生時代から知っていました。

その時には、そんなに使えなくなった針もないしなと思いながら、頭の隅に記憶しただけでした。

 

その後、洋服直しの仕事をするようになってから、ほぼ毎日使っていたミシンの折れ針や曲がった針が溜まっていきました。

洋服直しの仕事をしていたのは約10年間。

その約10年分の使えなくなったミシン針がずっと手元にある状態だったんです。

 

いつかこのミシン針を針供養に持っていきたいと思いながら、気がつくと針供養の日にちが過ぎていたり、針供養の日は仕事で行かれなかったりしていました。

もうこうなったら、最初から針供養の日にちを調べてスケジュールを押さえてしまおうと思って、今年の初めに針供養を行っている神社を調べました。

 

自宅から行かれる神社はいくつかあったのですが、東京都江東区にある富岡八幡宮の中にある粟島神社の針供養へ行くことにしました。

ちなみに、粟島神社では針供養のことを献針祭(けんしんさい)といいます。

そうそう、針供養の日にちも関東では2月8日と決まっているそうです。関西では12月8日。

これは関東と関西の風習の違いから針供養が行われる日程が違うそうです。おもしろいですよね。

 

さて、肝心の針供養ですが、開始前に持参した折れ針をお豆腐にさして受付をします。

なぜ、お豆腐に針を刺すのかというと、これまで硬い生地を刺してきた針に最後は柔らかいところで休んでくださいねという気持ちが込められているとのこと。

そうですよね、あの硬い鋼の縫い針が折れたり曲がったりするまで使ったんですもの。

ゆっくり休んでもらいたいなと思います。

受付が早かったので、まだあまり針は刺さっていませんが、こんな感じでお豆腐に針を刺していきます。

受付をしていた巫女さんに許可をいただいて写真を撮りました。

そして、献針祭は笛の音から始まり宮司さんの祝詞の後、参列者(わたしたち)1人1人が玉串を神社にお供えしていきました。

最後に、境内にある献針塚の近くに掘られた穴へ、先ほど受付で針を刺したお豆腐を納めて献針祭は終了となりました。

終了後、社務所内に直会を用意していただいていたので、ちゃっかりビールや海苔巻き、お団子をいただいて帰りました。美味しかった。

参列者は和裁関係の方が多くいらしていたようで、着物をお召しになっている方が多かったです。

 

ずっと行きたかった針供養に行くことができてよかった。お天気も良く、とてもすがすがしい気持ちになりました。

御供物と一緒に、お裁縫が上達するお守りもいただいたので、これからもっと精進しないといけないなと心新たに思いました。

今年も作りたい作品がたくさんあるので、せっせと刺繍していきます。