人の業(ごう)にあてられてしまった映画「国宝」

先日、映画「国宝」を観てきました。

今、話題になっている吉田修一さん原作の映画「国宝」。

映画館で観た方もいると思います。

吉田修一さんの他の本も読んだことがあったのと、俳優の田中泯さんが出演されているというので気になっていたんです。

映画の上映時間が3時間を超えるということもあって、いつ行こうかなと思っていたんですが、ちょうどぽっかりと時間ができたので先日、映画館へ観に行きました。

一番の感想は、とにかく苦しい。

軽い気持ちで観に行っちゃいけなかったなと思いました。

前評判やいろんな人の感想などをSNSで見ていたので、どんな物語なのかはわかっていました。

ですが、こんなに苦しい思いをするとは思っていなかったんですよね。

いろんなところで映画「国宝」について書かれていますが、簡単に説明すると歌舞伎役者のお話し(それだけではないのですが…)。

歌舞伎舞台のシーンはとても華やかで素晴らしいですし、歌舞伎を観に行ったことがなくてもたのしめると思います。

ですが、華やかなものには必ず陰の部分があって、わたしはその陰の部分に思いっきり引きずられてしまいました。

人の業(ごう)とでもいうんでしょうか、その陰の部分というか闇。

その闇をより濃く引き立てるために華やかな部分がある、そんなふうに感じました。

とにかく苦しかった。

映画を観て1週間ほどたちますが、思い出すと今でも胸の苦しみを覚えます。

最初に心配していた3時間の上映時間はあっという間でした。

気がついたら上映が終わってました。

一応、朝から水分コントロールしたり、腹持ちのいいものを食べたりしていったんですが全然大丈夫でした。

そして、田中泯さん演じる歌舞伎役者、小野川万菊の舞台は圧巻。

胸をえぐられるというのはこういうことをいうんだなと。

万菊さんにも闇を感じましたね。

「国宝」の原作はまだ読んでいないのですが、この胸の苦しさを感じているうちに読んだ方がいいのか、それともこの苦しさがおさまってから読んだほうがいいのか迷っています。

映画とはまた違った魅力が原作にはあると聞いているので、読むのは楽しみにしているんですがね。

まぁ、読むときが来たら読むと思うので、気長に構えていようかなと思います。

わたしは闇の部分に惹かれてしまいましたが、華やかな光の部分も素晴らしい映画だと思います。

もう1度観に行きたいと言っている方も多いですしね。