作品をリアルに作る意味って何?

リアルである必要性とは?

 

わたしが作る作品は植物をモチーフにしているので、実際にある植物の場合はリアルな姿が存在します。

なので作品を作る時、リアルに作るのか、デフォルメするのか2パターンを選ぶことができます。

デフォルメとは、対象を変形させて表現すること。

実際はそんなに大きくないのに、花を大きく表現したり、葉を小さくしたり、色を変えたりするのがデフォルメにあたります。

 

同じモチーフで、リアルとデフォルメされたものを制作したらどんな感じになるんだろうと思って、キンモクセイをモチーフにリアルとデフォルメの2パターン制作してみました。

 

 

キンモクセイの花は同じパターンで作り、葉の形と組み立て方を変えて作りました。

リアルな方は、花が葉の下側につき、葉も細長い、そして枝もある。

デフォルメした方は、花をメインにギュッとまとめ、葉を小さくして花の下に添え、枝はなし。

 

デフォルメしたデザインだと、アクセサリーなどに加工しやすいデザインなんだろうなという感じ。

商品展開を視野に入れるのなら、デフォルメしたデザインの方がわかりやすくていいのかもしれない。

 

リアルに寄せた方は、そのものを模しているので作品としてはいいのかもしれない。

だけど、リアルに作る意味って何?と問う自分もいます。

なぜなら、もうすでにリアルな造形を模しているアーティフィシャルフラワー(造花)というものがあるから。

 

自分の作品はアーティフィシャルフラワーと何が違うのか。

 

これってけっこう大事なことなんだと思います。

1針1針時間をかけて刺繍して作る花と、アーティフィシャルフラワーの違い。

作った人や刺繍をやる人以外は、パッと見てそんなに違うと思わないんじゃないでしょうか?

見た目は単なる「花」ですしね。

 

作っている方としては、花びらや葉、ガクや花芯の造形がおもしろく、それらを表現するのはとてもたのしい。

かなり、マニアックな視点なんだろうなとは思います。

 

作品を見てくれる人に、アーティフィシャルフラワー以上の何かを見いだしてもらうにはどうしたらいいのか。

 

そうするとデフォルメした方がいいのかなと思うけど、それはなんだか逃げているように感じてしまうんですよね。

もっと他にあるんじゃないかと思ってしまう。

 

答えは作品を作っていくことでしか得られないんだろうな。

だから今はただひたすら作品を作っていく。