意味合いが180度変わった作品_gallery hydrangea4月企画公募展『Silent Sience』
「共生」というタイトルの作品を作ったんですが、作っている途中で作品の意味合いが180度変わってしまいました。
みなさんは「共生」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
今回は植物と人形を組み合わせた作品を作ったので「植物との共生」とした方がイメージしやすいかな。
ちょっとイメージしてみてください。
イメージできましたか?
「共生」という漢字を見ても「共に生きていく」とか「一緒に生きていく」とイメージした方が多いんじゃないかなと思います。
共生という言葉を調べてみると「異種の生物が相手の足りない点を補い合いながら生活する現象。」と書かれています。
割といいイメージの言葉ですよね。
わたしも最初は「植物と共に生きていく」イメージで作品を作り始めました。
植物と人形を組み合わせた作品ですが、植物の部分は立体刺繍で作りました。
今回は「セルヌア」というカトレアの原種がモチーフです。
カトレアなどの蘭は着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)といって、土に根を張るのではなく木や岩などに根を這わせて生きている植物。
このセルヌアを人形の背中に張りつかせた作品を作りました。
最初のイメージは「着生植物の宿主である人間が、セルヌアの根から栄養をもらいながら共に生きていく」というものでした。
植物と人間が仲良く暮らしている姿を表現しようと思ったんです。
なんですが、いざ人形を作る段になってみると「共に生きていく」イメージができないんですよ。
それでも締め切りがあるので、手足から作り始め、体を作り、最後に頭を作りました。
人形を作り始めても「共に生きていく」というイメージがうまく作れなくて、けっきょく自分が思うままに手を動かして人形を作っていきました。
人形は最終的に「着生した植物に自我を奪われていく姿」になりました。
そう「共に生きていく」のではなく「植物に体を乗っ取られる」作品になりました。
なので、人形には顔がありません。
最初、目や口などもつけたのですが全然しっくりこなくて取り外してしまいました。
この人形は自我の8割を植物に持っていかれているので、もう自分が何なのかわからなくなっています。
そして、もう次のグループ展に向けての作品制作をはじめています。
作品のタイトルは「アネモン」テーマは妖怪です。
次の作品もおたのしみに。
最後にgallery hydrangea(ギャラリーハイドランジア)4月企画公募展のお知らせです。
gallery hydrangea4月企画公募展『Silent Sience』
開催会期:2024/4/5(金)~4/14(日)
※休廊日:火・水
gallery hydrangea(ギャラリー ハイドランジア)
東京都墨田区東向島1-3-5
03-3611-0336
今回は在廊しません。