透明樹脂で作る宝石 レイヤードスクラッチ誕生秘話
わたしのオリジナル作品である
レイヤードスクラッチが
どうやって生まれたのか
誕生秘話にお付き合いください。
レイヤードスクラッチの原点
わたしは以前
【彫紙アート】というアートを
教えてみました。
【彫紙アート】というのは
色の数だけ紙を重ねて
アートナイフと呼ばれるカッターナイフ
1本で彫っていく
日本生まれのアートです。
立体切り絵とも表現されます。
画像はわたしが彫った
彫紙アートの作品です。
25枚の紙が重なっています。
写真に撮ると
彫紙アートの立体感が
表現できないのが残念です。
この【彫紙アート】と
【ジュエリーレジン】を
組み合わせてみたら…
そう思ったのが
レイヤードスクラッチの始まりです。
ジュエリーレジン®というのは
紫外線で固まる透明樹脂で
宝石を作るハンドメイドのことです。
きらきらとしていて綺麗でしょ。
試作の壁は高かった
まず、紙をジュエリーレジンに
入れてみました。
紙をジュエリーレジンの底に
入れるだけなら
封じ込めることができたんです。
ミール皿にホイル折り紙の切り絵を
透明樹脂に封じ込めたものです。
彫紙アートは紙が重なっているのが
特徴の1つ。
けれど紙を重ねて封じ込めることは
できなかったのです。
なぜなら紙は紫外線を通さないから。
紫外線で硬化するUVレジンを使って作る
ジュエリーレジンでは
紫外線を通さない紙を
重ねて封じ込めることができないんです。
だったら紙を散りばめてみたらどうか?
これはうまく封じ込められました。
けれどこれも彫紙アートの特徴を
表現できていません。
ここから試作の壁にぶつかりました。
どうしたら彫紙アートの特徴である
【重ねる】と【彫る】が表現できるのか?
解決の糸口は
ほんの些細な思いつきでした。
【彫紙アートなんだから彫ればいいんだ】
彫紙アートではアートナイフという
カッターナイフで紙を切ることを
【彫る】と表現します。
レジンは人工樹脂です。
尖ったもので彫ることが
できるんじゃないかと思いました。
はじめて【彫る】表現をした作品は
リングでした。
洋裁で使う「目打ち」と呼ばれる
尖った金属の道具を使って
レジンを【彫り】ました。
はじめてレジンを彫った模様を
入れた作品がこちら。
うっすらと引っ掻いたような模様が
浮かんでいるのがわかりますか?
ようやく
【彫る】部分の表現できたんです。
これだけでは
まだ【彫紙アート】の表現ではない。
あとほかになにかないか。
まだまだ試作は続きました。
重ねなきゃ彫紙アートじゃない!
さらに「彫紙アート」の要素を
取り入れるとしたら…。
それは【重ねる】こと。
「彫紙アート」は【重ねた】紙を
アートナイフというカッターナイフ1本で
【彫って】いきます。
ならば、レジンを【彫る】ことを
【重ねれば】いいんだ!
レジンを【彫って】
付けた模様の層を
【重ねて】みました。
そうしてできあがったのが
【レイヤードスクラッチ】です。
ジュエリーレジンのきらめきと
重ねられたスクラッチ模様によって
表情豊かな私だけのオリジナル作品となりました。
試作を諦めなくてよかった
何度も何度も試作を失敗したけれど
その時に作ることを諦めなくてよかった。
諦めてしまっていたら
きっとこのレイヤードスクラッチは
生まれていなかったことでしょう。
わたしの粘り勝ちですね 笑。
もし、あなたがなにか新しい作品に
取り組んでいるとしたら
諦めないで作り続けてください。
たくさん失敗をするかもしれないけれど
いつか自分の納得のいく作品が出来上がるはずです。
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